2015年11月28日土曜日

マーケティングのちょっとしたコツ

供給過多な市場での戦い方(8)




 みなさん、こんにちは。今回は、ターゲティングした市場で、自社がナンバーワンになるために必要なポジショニングの法則についてお伝えします。

以前、こんなことがありました。たまたま、お茶の水方面で商談が午前と午後にまたがっていましたので、その日は、1日中、お茶の水方面で過ごしました。自分にとっては、懐かしいやら、嬉しいやらで、仕事と言うよりは、個人的な趣味を満喫できるめったにない機会でもありました。

午前中の商談は、予定よりかなり早めに終わり、昼食の店選びにも余裕があったので、学生時代の気分が爆発して、う~ん、今日は、いもやの天丼しかないお店にするか? いや、天ぷら定食しかないお店にするか? いや、少し寒いし、みそラーメンも悪くないな。 いやいや・・・ と、なりましたが、結局、いもやの天ぷら定食しかないお店で昼食をとることにしました。

お店に行くと、最初は、いや~、懐かしいなぁ~という気分でしたが、お昼のピーク時より、かなり早めに行ったはずなのに、相変わらず、並んでいて、ふと、心の中で「しかし、この店、特別安い訳でもないし、特別美味しい訳でもないし、メニューも天ぷら定食しかないのに、何でいつもこんなに混んでいるんだ?」と、学生当時のように文句を言っていました。

ところが、食事を終えてお店を出て、心の中で開口一番、懐かしさも手伝ってか、「いや~、相変わらず、大満足。やっぱ、お昼には、あんな天ぷら定食が食べたいよなぁ~。」と思っていました。

その後は、迷うことなく、一目散に楽器店街に直行。すると、楽器店街は、学生時代と様変わりしていて、どこのお店でも学生時代は手が出なかった、有名ブランドのギターコーナーがありました。

一瞬、自分はカモ?(笑)と思いましたが、ある、お店のギターコーナーへ行くと、目が釘づけになりました。

自分が学生の頃は、最低でも20万円をくだらないギターが、中古を含めて7万円位からあり、ギブソン、ディアンジェリコ、ダキスト・・・ など有名なブランドのギターが当たり前のようにありました。また、噂には聞いていましたが、見たこともない伝説系のギターまでもありました。

しばらく、ギブソンのコーナーでギターに見入っていると、自分と同じくらいの年代の店長さんが、ニヤ~として、嬉しそうに近づいて来ると、「ギブソン、安くないですか?」と話しかけてきました。

私は、思わず合いの手を打つように、ニヤ~として、「衝動買いしそう!」と言うと、二人で爆笑になりました。その方とは、いろいろお話をしましたが、その方は、とても印象に残るお話をされていました。

それは、こんな話でした。「ギブソンだけは、他のメーカーとはちょっと違うんですよ。ジャズを弾く人はそれ程でもないですが、ギブソンのギターを買う人は、良い音のギターが欲しいというよりは、ギブソンのギターが欲しいんですよ。だから、うちでは、中古のジャズギターでも純正のハードケースがセットになっていて、安く提供できるギブソンのジャズギターは必ず店頭に並べるようにしているんです。」と、いった話でした。

私は、「なるほど。良い音のギターが欲しいではなく、ギブソンのギターが欲しいかぁ~。確かにそうだよな。」と、思いました。

ポジショニングの法則で最も重要な事は、顧客から○○と言えば、○○と思われることです。たとえば、「いもや」なら、お昼に天ぷら定食と言えば「いもや」。「ギブソン」なら、エレキギターと言えば「ギブソン」と顧客から思われるようになることです。

そして、そのためには、次の3つのステップで成功することが必要です。

1 ハートシェアーでナンバーワンになる
2 マインドシェアーでナンバーワンになる
3 マーケットシェアでナンバーワンになる

では、次回は、ポジショニングの法則のこの3つのステップについてお伝えします。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略