2015年10月31日土曜日

マーケティングのちょっとしたコツ

供給過多な市場での戦い方(2)  




 みなさん、こんにちは。前回、顧客第一主義(CRM)の本質は、顧客利益を創造する企業側の情報提供力がその本質で、丁寧すぎる言葉づかいや態度ではない。また、供給過多な市場での解決策は、サービスを顧客第一主義(CRM)のなかでどのように実現するかが、その解決策だと言いました。今回は、その辺について詳しくお伝えします。

まず、ご存知の方も多いと思いますが、顧客は商品を買うのではなく、製品を買います。

製品とは、商品とサービスがワンセットになったものです。

ですから、前回、顧客が商品を買う理由は1つで、価格や品質が変わらないのなら、近所で買うのが顧客が商品を買う理由ですが、なぜかそうならないのは、商品の価格や品質は同じでも、サービスが違うからだとお伝えしました。

つまり、私たちの購買行動は、一見、商品を買っているように見えますが、実際は、目に見える商品だけではなく、商品を見ただけでは判らないサービスも含めた製品を買うため、目に見える優位性だけでは、競争優位かどうかは判断できないのです。

マイケル・E・ポーターは競争の戦略の中で、市場で企業が生き残るには価格優位を実現するか、差別化で競争優位を実現するしかないと主張していますが、当然、サービスは差別化要素の一つです。 ですから、前回の顧客が商品を買う理由を少しマーケティング的に言い変えますと、「顧客が製品を買う理由は1つで、価格や品質が変わらないのなら、近所(商圏)の最もサービスの良い企業(お店)で買う」となります。

では、この、サービスとは何でしょうか?

サービスと言う言葉は、抽象的で、サービスって何? と質問されると上手く答えにくい言葉ですが、結局のところ、「購買行動を促す要因」がサービスです。

以前、お伝えしましたが、購買行動は感情的論理に沿って行われます。 感情的論理とは、人は「欲しい! だって、必要だもん!」と、「欲しいと思う感情がお金を失う恐怖を越えた時、購買行動を行う」という論理です。

例えば、ペットショップで見かける光景で、さっきまで厳つい顔をしたおじさんが子犬を見るやいなや・・・「うわー! この子犬めちゃくちゃかわいい! う~ん・・・。そう言えば、長女が今週末、誕生日だった! よっしゃ! 買うぞ!」となることがありますが、人は欲しいと思った時、その感情がお金を失う恐怖よりも大きな満足感が期待できて、購入する理由(言い訳)が見つかれば購入するということです。

つまり、サービスとは本来、このような感情的論理に沿って購買行動を促す何かの要因です。

ここまでをまとめますと、「顧客が製品を買う理由は1つで、価格や品質が変わらないのなら、近所(商圏)の最もサービスの良い企業(お店)で買う」は、より、マーケティング的に言い変えますと、「顧客が製品を買う理由は1つで、価格や製品が変わらないのなら、近所(商圏)で買う」となります。

ところが、供給過多な市場では、これらの要素を満たしても、何故か売れない時があります。

次回は、その辺について、お伝えしたいと思います。




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