2014年12月20日土曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(71) まとめ(9)「売り上げを伸ばす方法」(2) 「水漏れするバケツ」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(71)
まとめ(9)「売り上げを伸ばす方法」(2)
「水漏れするバケツ」
 
 


 こんばんは。もうすぐ、クリスマスですね!

さて、前回、「売り上げを伸ばす方法」の全体像について説明し、集中的成長(既存市場での成長)について、小売業(花屋さん)を例にお伝えしました。

前回のポイントをまとめますと、売り上げを伸ばす時に、最初に全くの新規顧客を狙って、リスクの高いマーケティングを行うのではなく、最初は、既存客だけに焦点をあてて、現在の「自社の強み(売れる理由)」を客観的に理解し、小さな成功体験を積む。

そして、その後、「自社の強み(売れる理由)」を活かして、以下の3ステップの成長戦略で売り上げを伸ばすようにすれば、最小コストで最大効果を狙えることをお伝えしました。

1 集中的成長(既存市場での成長)
2 統合的成長(関連市場を取り込んだ成長)
3 多角的成長(現在の事業とは関係のない市場を取り込んだ成長)

ところで、既存市場の既存客を対象にして、売り上げを伸ばすことができれば、次は、2の統合的成長(関連市場を取り込んだ成長)のように思えますが、実は、既存市場では、あと2つ、やらなければならないことがあります。

それが、ロストした顧客の掘り起こしと新規顧客の開拓です。

ロストした顧客とは、以前、取引していたが、現在は、取引をしていない顧客のことです。

そして、売り上げを伸ばすための3つのステップは、

1 既存客へのアプローチ
2 ロストした顧客へのアプローチ
3 新規顧客へのアプローチ

この3つのアプローチをワンセットにして、1から3の順番でアプローチします。

1の既存客へのアプローチは、前回お伝えしましたので、今回は、残りの2のアプローチ方法について、お伝えします。

まず、この1~3のアプローチの違いは、費用面を中心に見ますと、

1 初期費用
2 初期費用+新たなプロモーション費用
3 初期費用+新たなプロモーション費用+新たなリサーチ費用

となり、既存客→ロストした顧客→新規顧客とアプローチするにつれて、コストが増える上、成功する難易度も高くなります。

しかしながら、市場のトレンドやニーズは常に変化し、いかなる会社も「水漏れするバケツ」のように顧客の流出は避けられないため、どうしてもロストした顧客、新規顧客へもアプローチして顧客化し、一定量の顧客数を維持しなければ経営が成り立たないのが現実です。

そこで、既存客の次は、ロストした顧客、そして、その次は、新規顧客の順番でアプローチします。

ロストした顧客にアプローチする時は、以前、SWOT分析を説明した時に機会分析についても説明しましたが、このSWOT分析と機会分析の考え方を応用します。

まず、SWOT分析の「自社の強み(売れる理由)」ですが、これは、既に既存客の売り上げを最大化する時に行った、既存客1社あたりの1回の売上額、購入回数を増やすことから導かれた成功要因が「自社の強み(売れる理由)」です。

次に、SWOT分析の「事業機会(機会分析)」は、ロストした顧客の過去の実績で年間の購入金額が大きく(魅力度)、アプローチして顧客化できる可能性(成功率)が高いロストした顧客から優先したアプローチリストを作ることが「事業機会」にあたります。

つまり、ロストした顧客を顧客化するために行うアプローチ方法とは、この「自社の強み(売れる理由)」を「事業機会」であるアプローチリストの順番に沿って「プロモーション」することで、ロストした顧客を顧客化することです。

プロモーションの方法は、企業間の取引では、表敬訪問でプロモーションを行うのなら、初回の表敬訪問は、社長と営業担当が同行し、その後、営業担当だけで6回表敬訪問したら、7回目の表敬訪問で、もう一度、社長と営業担当が同行してワンクルーにするのが効果的です。

このプロモーション方法は統計的な理由があり、プロモーションは、同じプロモーションを6回以上繰り返すと、プロモーションされた側の記憶に残るという習性があり、その習性を利用したものです。

また、社長は、7回に1度程度の表敬訪問ですが、この間隔にも統計的な理由があり、営業担当が6回以上同じプロモーションを繰り返すと、プロモーションされた側の記憶に残るのですが、逆に言うと、7回以上、営業担当だけしか表敬訪問しないと、初回の社長の表敬訪問のザイオンス効果が効かなくなってしまうため、最低でも7回に1度は、社長の表敬訪問が必要になるのです。

このプロモーション方法で、たとえば、週に1度表敬訪問すれば、3ケ月後には、ロストした顧客を顧客化できるか判断できます。

また、表敬訪問以外では、セールスレターや動画配信やビデオチャットでも同じようなことが出来ますが、特にロストした顧客には、やはり、社長自らの表敬訪問が最も効果的です。
は、次回は、既存市場での新規顧客の開拓についてお伝えしたいと思います。
 
 
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