2014年11月26日水曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(64) まとめ(2)「社長の使命とは何か」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(64)
まとめ(2)「社長の使命とは何か」


 
 
 おはようございます。さて、今回は、スモールビジネスのまとめの第2回目となります。

この「社長の使命とは何か」という質問に明晰に答えることができるスモールビジネスの社長も、ほとんどいません。

起業して間もない方は、しょうがないにしても、遅くとも起業して1ケ月以内には、何となくでもいいので、気づけないと、長期的な事業の存続は無理です。

以前、マイケル・E・ガーバーの書籍から引用して、サラというパイ職人の女性起業家の魂の叫びのような話をお伝えしました。

サラは、小奇麗なお店で美味しいパイをつくることが社長である自分の仕事だと信じていましたが、しかし、それだけでは、激務と金策に追われるだけで、社長が何をすれば良いか判らなくなり、その答えを探してマイケル・E・ガーバーを訪ねることから、この物語が始まります。

この書籍は、経営者や経営幹部諸氏が客観的に自分を見つめるには大変良い書籍ですが、ただし、この本での解決策だけでは、一つの方法論の提案だけに終始してしまい、本質的な解決策には至りません。

なぜなら、この書籍での解決策は、自社に最適なビジネスシステムを持つことが解決策となっているため、そもそも、社長の使命とは何かという本質を問うことがありませんでした。

その辺は、客観性を持たせるためにも、ドラッカー、ポーター、コトラー、松下幸之助、稲盛和夫、一倉定・・・、などの書籍や動画等を引用して捕捉しましたが、まず、経営者にとって重要な事は、手段や方法ではなく、なぜ、そう思うのか?という本質的な問題解決をする必要があるのです。

そして、そういった本質的な問題でも、そもそも「社長の使命とは何か」ということを明晰にしておきませんと、市場において我が社がすべきことすら何かも判らないのです。

ドラッカーは、「企業の使命とは何かと問われれば、それは、市場を創造することである」と明快に答えていますが、同様に「社長の使命とは何かと問われれば、それは顧客を創造すること」です。

ですから、極端な言い方をすれば、社長の仕事は、お客さんを創ることで、それ以外のことは、その準備のための補足的な作業なのです。

特に、事業継承で悩んでいる創業者の方にお伝えしたいのは、事業継承する時に自分の欲に負けた間違った判断をしないためにも、自分が創業した時のことを思い出して欲しい。

来る日も来る日も、自分ではどうすることもできない不安の中で、何とかお客さんを少しづつ増やし、自転車操業ながらも何とか会社を継続させて、ようやく今に至ったはずです。

そして、市場競争で生き残ることは、とても厳しいことだと創業者のあなたは、身を以て知ったはずです。

その経験からも、事業継承するつもりがあるのなら、いつまでも最前線で行動するのではなく、早い段階で継承者自身の力で顧客を創れるように育てることに集中して欲しい。

社長の使命は顧客を創ることだと身を以て知れば、会社は何とかなるのです。

世の中は、常に変化し、その変化についていけなくなった時、会社は倒産します。

しかし、社長の使命とは顧客を創造することだと身を以て知れば、自社が顧客のためにどのような変化をすれば良いかが判るのです。

このように、「社長の使命とは顧客を創造すること」であり、その使命を会社の本質的な問題の解決策の中軸に据えて企業活動していくことが必要です。