2014年9月11日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(62) マーケット・リサーチ(10)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(62)
マーケット・リサーチ(10)


 

 おはようございます。今回は、SWOT分析(環境分析)でよくある誤認についてお伝えします。

企業の成長戦略のシナリオを創る時に、SWOT分析を行いますが、SWOT分析を行なって意思決定をする時に様々な誤認があります。

たとえば、企業の成長戦略のシナリオを創る時に、最初に行うべきことは、自社の事業領域を拡張することだと思われがちですが、決して、そうではありません。

なぜなら、成長戦略で最初に行うべきことは、「自社は何を諦め、今すぐやめるべき事は何か?」を決めることから始める必要があるからです。

なぜかと言いますと、たとえば、投資でも同じなのですが、損出を抱えたままで損切りをせずに新たなポジションを創ると、プロスペクト理論通り、余計に損出が増えます。

こういった場合、いったん損切りをしてから、新たなポジションを創るのが鉄則ですが、実態のあるビジネスにおいても全く同様で、まずは、「自社は何を諦め、今すぐやめるべき事は何か?」を決めてから、新しいことを始める必要があります。

また、現実問題として、SWOT分析では、教科書的には、1.「新たに実行すべき内容」、2.「克服すべき内容」、3.「撤退すべき内容」の3つの意思決定ツールですが、2の「克服すべき内容」については、現実問題として、自社が何かの課題を克服して事業機会を得るということが、ほとんどできません。

ですから、2の「克服すべき内容」は、グレーゾーンではなく、グレーに近いデッドゾーンとして判断した方が良いです。

つまり、SWOT分析では、「強み」と「機会」に焦点をあてて分析をし、それ以外は、「撤退する期日や理由」を明確に決めるためのツールとして利用された方が良いと思います。

たとえば、今、あなたが花屋さんをしているとして、顧客や市場を決定せずに不特定多数の人を対象に漠然と商売をしていたとします。

そう行った場合なら、自社の「強み」と「機会」から自社が競争優位になるような「業界」や「市場」を特定するためにSWOT分析を行います。

たとえば、不特定多数の顧客に花を売ろうとするのではなく、「医療」、「食品」、「催事市場」など、自社が競争優位になるような「業界」や「市場」を見つけ出すためにSWOT分析を行うのです。

SWOT分析を行って意思決定をする時は、こういった点に特に注意してください。


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