2014年8月30日土曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(54) マーケット・リサーチ(2)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(54)
マーケット・リサーチ(2


 
 
 
 スモールビジネスのそもそも論に、盲人が盲人を導こうとすることが多々あります。そして、そんな人に限って、「下請けをしたくない」、「薄利多売はもう嫌だ」、「工賃仕事から足を洗いたい」、「もっと儲かる仕事がしたい」など、言えばきりがないほど、身勝手な願望を描きます。

こんな人を一言で言えば、「的のない矢を放つ怠け者もしくは評論家」にすぎませんが、そもそも、適切な学習と行動をしないで妄想や欲望を描いたところで、事態は良くなりません。

魚釣りで言えば、どこにどんな魚がいるか調べず、しかも釣り道具すら持たずに餌だけ持って浜辺でうろうろしているようなもんで、プロの漁師であっても魚群探知機という秘密兵器を装備して必死に頑張っても、「この先、どうなるんだろう?」と、戦術だけでは不安がよぎるのに、おめでたいとしか言いようがありません。

ドラッカーの遺言からも引用してお伝えしましたが、ドラッカーも言うように、これからの時代は、価値ある情報を資本として企業経営する時代なのですから、せめて、マーケットリサーチ(魚群探知機で探査)くらいしないと、市場から強制退場させられるだけです。

マーケットリサーチと言うと、途端に分かりづらくなりますが、そういったあまり馴染みのない言葉を使わずに、企業経営でマーケットリサーチでは何をするかと言いますと、結局、「いつ」、「どこで」、「誰が」、「何を」、「どのようにして」、「どれくらい」、「なぜ、売れるのか」等を調べることがマーケットリサーチです。

ですから、こういった情報収集と分析をしないで行動するということは、企業経営をする上でありえない話ですが、これがないのが成長できないスモールビジネスの特徴で、マイケル・E・ガーバーが言うところの「幼年期」、「青年期」あたりの「職人経営」、あるいは、「個人経営」しか知らない人達が行うスモールビジネスの特徴です。

マイケル・E・ガーバーの著書のうわべだけを鵜呑みにした人達は、個人がビジネスシステムを持ってスモールビジネスを行えば、楽して大儲けできると勘違いしています。

しかし、たとえば、誰かが作った既にあるフランチャイズやビジネスモデルに相乗りしたところで、発案した人や会社が儲かるだけで、相乗りした個人は、上手く行っても自分の雇用を確保したにすぎず、ないよりましといった程度以上の発展はありません。

もし、本当に大志を描いて起業するのであれば、ああいった発想を参考に、一から自分でビジネスシステムやビジネスモデルを手作りできなければ、誰かに雇われて働くよりも、さらに厳しい現実が待っているだけです。

ですから、まず、せめて自分もしくは自社の魚群探知機で市場の探査から始めなければ、何も始まらないし、何も変わらないのです。


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