2014年7月4日金曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(48) ビジネスモデルを創るステップ(17) 「見込み客の顧客化」(8)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(48)
ビジネスモデルを創るステップ(17)
「見込み客の顧客化」(8)





シーブリーズのようなメントール系のシャンプーは、「爽快感」、「清潔感」というダブルベネフィット(顧客が得る利益)で製品のポジショニングをしていた。

マインドシェアのポジショニングでは、このようなベネフィット(顧客が得る利益)を何種類くらい自社の製品に採り入れるかを決める必要がある。

一見、ベネフィットとは、顧客が得る利益なのだから、数が多ければ多いほど良いように思えるのだが、実際は、ベネフィットの数を増やし過ぎると、製品の特徴が返って判らなくなり、顧客のマインドシェアにポジショニングされにくくなる。

たとえば、カバンなら、

「軽い」カバン(シングルベネフィット)
「軽い」、「頑丈」なカバン(ダブルベネフィット)
「軽い」、「頑丈」、「持ち運びが便利」なカバン(トリプルベネフィット)

このように、カバンの「機能性」なら「機能性」を3種類くらいまでのベネフィットに分類し、自社の製品に、自社が実現できるベネフィット(顧客が得る利益)を採りいれてポジショニングするのが標準的である。

マインドシェアでは、このように自社のベネフィットを製品に採り入れてポジショニングすることで、競合他社との差別化を行うことができる可能性がある。

そして、見込み客のカバンの購買行動は、おおよそ、次のようなイメージだ。

まず、見込み客は、どんなメーカーのどんなカバンがあるか調べ、仮に、見込み客が購入したいカバンの候補をA社、B社、C社の3社、見つけたとする。

この時、A社、B社、C社の3社の製品のベネフィット(特徴)は、

A社は、「軽い」、「頑丈」、「持ち運びが便利」なカバン
B社は、「軽い」、「頑丈」なカバン
C社は、「軽い」カバン

だったとする。

製品のベネフィット以外に、マーケティングの7Pの購入条件が全て同じであれば、当然、A社のカバンを買う可能性が高い。

製品のポジショニングは、このようにすれば良いのだが、一つ、陥りやすい落とし穴がある。

ハートシェアのポジショニングに「悲しいシャンプー」という誤ったポジショニングがあるように、マインドシェアのポジショニングにも、誤ったポジショニングがある。

たとえば、こんなポジショニングである。

「ナイキ社」の「世界最高速PC」
「ハーゲンダッツ社」の「あっさりラーメン」
「ベンツ社」の「快適な耕運機」

このような誤ったポジショニングが存在する。「製品」と「ベネフィット」の相性は悪くないが、「企業」と「製品」の相性が悪いのだ。

さて、ここまでのポジショニングの法則の、3つの項目をまとめると、

ハートシェアの占有率の高さは、「感情」と「製品」の関係で決まる。
マインドシェアの占有率の高さは、「製品」と「企業」の関係で決まる。

そして、ポジショニングの法則の最後の項目のマーケットシェアだが、

マーケットシェアの占有率の高さは、「企業(自社)」と「競合他社」と「顧客」の関係で決まるのである。



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