2014年6月19日木曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(38) ビジネスモデルを創るステップ(7) 「見込み客とは何か」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(38)
ビジネスモデルを創るステップ(7)
「見込み客とは何か」




「あなたの会社の製品に興味があります」、「あなたの会社の製品を売って下さい」など、「見込み客」からこう言われて製品を販売することができれば、ビジネスに携わる者としては、理想的な状態だと言える。

そして、顧客にとって適切なマーケティング活動をしていれば、このようなことも十分ありえる話だ。

ところが、「見込み客」が何かを正しく理解しないまま、セールス活動をした場合、このような理想的な状態とは縁遠くなるばかりか、むしろ、クレームが増えるだけで、徒労に終始するだけになることがほとんどである。

では、いったい、どうすれば、こういった理想的な状態になれるのだろうか?

「見込み客」が「新規顧客」になる瞬間を書籍にしたものに、ジャック・ワース、コラス・E・ルーベン共著の「高確率セールス」という書籍があるが、セールス活動についてよく解らないと言う方は参考にしても良いかと思う。

ただし、現実離れした箇所が数箇所あるので、注意して読んで欲しい。

この書籍では、POPの制作を請け負う印刷会社のセールスパーソンが、テレアポで見込み客を探すところから、仕事を受注して納品するまでを自社のセールスマニュアルに沿って行う姿が対話形式で書かれている。

だが、現実離れした箇所として、たとえば、書籍では、テレアポを取る時に、アプローチする相手を電話帳から無差別に選んで電話し、アポを取るように書かれているが、そんな行動をプロのセールスパーソンが行うことは、どんな業界でも、まず、ありえない話だ。

そもそも、そんなことをしたら、「高確率セールス」という書籍のタイトルそのものが嘘になってしまう。

また、この書籍は、自社のセールスマニュアルに沿って行われる、「話術による説得術」だという点にも注意を払って欲しい。

セールスとは、セールスレターにせよ、セールストークにせよ、「話術による説得術」である。

話術によって、説得しやすそうな人を狙って説得する、つまり、説得しないと売れない製品を話術で説得して、狙った相手に販売するのが一般的に行われているセールスだ。

つまり、売り手が売りたい製品を説得しやすそうな人に狙って押し売りするのである。

セールスとは、一般的に、このような行為であるため、セールスする相手を電話帳から無差別に選んで電話し、アポを取ろうとすれば、どうなるか明白だ。

では、こういったセールス活動は、どのように改善すれば良いのか?

まず、売り手の都合で行うセールス活動を今すぐやめることである。「私の売りたい製品はこれです!」といった押し売りをやめなければならない。

また、セールスする相手を電話帳から無差別に選ぶといった行動も迷惑である。新人研修の相手をさせられるのは、誰にとっても迷惑な話だ。

つまり、セールス活動をするのではなく、マーケティング活動を行うのである。

まず、市場を俯瞰し、自社と競合他社のマーケティングの7Pを比較して、自社の「強み」と「弱み」をしっかりと認識する。

そして、自社の製品を買うお金を持ち合わせ、自社の「強み」を気に入ってくれて、買いたいという意志を明言する可能性がある人に対して、自社の「強み」が、どのように顧客に貢献するかを何らかの方法でプロモーションするのだ。

この時にプロモーションする相手が「見込み客」なのである。

つまり、「見込み客」とは、自社の製品を買うお金を持ち合わせ、自社の「強み」を気に入ってくれて、買いたいという意志を明言する可能性がある人のことなのだ。

決して、電話帳から無差別に選んだ人の中から、自社の勝手な都合で、話術で説得できそうな押し売りする相手ではない。



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