2014年6月20日金曜日

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(39)
ビジネスモデルを創るステップ(8)
「見込み客の見つけ方」(1)




マーケティング戦略は、顧客を深く理解するところから始まる。市場全体を俯瞰し、自社を顧客視点で客観的に見れるようになれば、自社が向かうべき方向を示す戦略もおぼろげに見えてくる。

そして、市場において、企業が市場のニーズに適切な戦略と戦術を同時に持ち合わせることができれば、企業は最大の能力を発揮することができる。

だが、ほとんどの企業は、戦略そのものがないのである。

あるのは、戦術だけだ。

自社がどんな武器(製品)で戦うのか? だけで、どのように戦うか?(マーケティングを行うか)は何も決まっていない。

そして、顧客のニーズに関係なく、自社の都合で製品ありきのセールスを行う。

従って、戦略を持つだけで、競合他社は、戦略を持った企業には勝てないのだ。なぜなら、競合他社は、戦略そのものが何かも理解していないのだから、もともと競争にならない。

たとえば、東京の受験業界は、こんな状態だ。

中学受験は、塾が合格実績を宣伝できる中学校に焦点をあてる。

そして、お決まりのフレーズは、「予習シリーズ(教材)」、「個別教室」、「学習システム」・・・などで、合格を煽って売り込んでくる。

これらは、ほとんどの顧客(生徒)も塾も使いこなせない製品である。

あるいは、高校受験なら「都立高校合格に強い○○。都立高校合格を目指すなら○○。」という宣伝をしていた塾があった。

都立高校は、公開模試の偏差値で言えば、30代から存在する。1社で市場の全てのニーズを満たすことは、不可能である。

これらの塾は、自社の勝手な都合で押し売りをしているのだが、さらに重要なことは、自社の「見込み客」が誰なのか知らないのである。

まるで、市場にいる全ての受験生が自社の「見込み客」だと言わんばかりだが、この不思議な現象は、何も受験業界に限ったことではない。

受験業界に限らず、ほとんどの業界のほとんどの企業は、市場にいる、まだ取引をしていない全ての競合他社の顧客は、自社の見込み客だと思っている。

これでは、戦略以前の話だが、だからこそ、戦略を持った企業は、無敵に近い状態になるのだ。

そして、自社の「見込み客」が誰かを知りたければ、市場での自社のポジションを知らなければならない。

顧客から見て、自社は、市場で、どんなニーズを満たしているのか? このことが判らなければ、「見込み客」が誰なのかも判るはずもない。

「見込み客」を探すためには、まず、市場での自社のポジションを知るところから始めるのが、始めの一歩だ。



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