2014年5月31日土曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(37) ビジネスモデルを創る ステップ(6) 売上計画の考え方 水漏れするバケツ(2)


スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(37)
ビジネスモデルを創る ステップ(6)
売上計画の考え方 水漏れするバケツ(2)





競合他社を明確にし、あなたの会社と競合他社のマーケティングの7Pを比較すれば、あなたの会社の「強み」(売れる理由)、「弱み」(競合他社の製品が売れる理由)が明らかになる。

そして、この、自社の「強み」と「弱み」をはっきりさせることで、ようやく、自社の売上計画が見えてくるのである。

このように、売上計画を立てる時は、自社の「強み」と「弱み」をはっきりとさせ、そして、それらをどのように改善すれば、今以上に売り上げが増えるかを考えれば、良いのである。

そして、この時、考えれば良いことは、次の3つである。

1 自社の顧客が一度に買う金額を増やすには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

2 自社の顧客が買う回数を増やすには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

3 1、2を同時に行うには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

マーケティングでは、1を実現する時は、一般的に「クロスセル」、「アップセル」と言われる方法がある。

クロスセルとは、たとえば、スーパーなら、カレー粉を買う顧客に、牛肉やジャガイモやニンジンや玉ねぎなどを同時に購入してもらう方法である。

アップセルとは、カレー粉を買う顧客に、今、買おうとしているカレー粉よりも、より高価なカレー粉を買ってもらう方法である。

また、2の顧客が買う回数を増やすには、スーパーなら、ポイントカードがその良い例である。

たとえば、来店回数を増やすために、週に2回ポイント2倍デーなどを行って、来店回数を増やすようにしている。

これ以外にも、冷凍品半額デー、29(肉)の日、タイムセールス、家族割引き、ネット予約特典、2000円以上購入福引き券、タレントを呼んだイベントなど、挙げればきりがないほど、様々な工夫がされている。

こういった活動は、何も小売業に限った話ではなく、企業間の取引でも同じである。

売上を増やすためには、このような、現在いる顧客に対して、自社の「強み」と「弱み」の改善策から考案された方法によって、より売上額を増やすようにする方法が第一の方法である。

そして、既存客の次にターゲットにするのが、競合他社に奪われた、元、顧客である。競合他社に奪われた顧客を取り戻す方法も、既存客と同じである。

そして、もし、失った顧客が返って来て、売り上げが順調に伸びるようであれば、これ以上、手を拡げない方が得策である。

しかし、それでも、まだ、売り上げが満たされないのであれば、最後に標的にするのが「新規顧客(見込み客)」である。

なぜ、このような3段階に分けた方法を採るのかというと、顧客にかかるコストの問題である。

一般的に、新規顧客を獲得するコストは、既存客を維持するためにかかるコストの5倍以上の費用がかかるのである。

従って、かかる費用が高額な「新規顧客(見込み客)」を追いかけて経営を圧迫するのなら、今いる既存客や奪われた顧客へのマーケティングを向上させて売り上げを伸ばす方が、経営上、安全だ。

このような理由から、売り上げを伸ばすためにターゲットにする顧客の順番は、既存客、ロストした顧客、新規顧客(見込み客)の順で、その順番に沿って、売上計画を立てれば良いのである。


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