2014年5月19日月曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(27) 「事業モデルの7つのルール」(3) 2代目社長バカ息子、バカ娘の過ち?(2)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(27)
「事業モデルの7つのルール」(3)
2代目社長バカ息子、バカ娘の過ち?(2)





スモールビジネスが成功しない理由に、親子間の事業継承の問題がある。親子共々に「職人」としてしか働いた経験がない場合、親子喧嘩の末、子供が親の会社の多額の借金の連帯保証人となって会社を去り、その後、事業が倒産するといったケースがある。

私が知る範囲でも、このケースで倒産するスモールビジネスを見たが、だが、極めて稀なケースだが、持ち直し、上手く行く時がある。

それは、事業の試作モデルを創り、試作モデルが成功する時である。だが、その場合においても、親子で新規事業が軌道に乗るまで、お互いに協力することが前提となる。

そのためには、子供が時流に沿った何らかの技術があったり、親が猛省し、子供を呼び戻すことができるなど、様々な障害があり、成功することは極めて稀である。

個別具体的なことは避けるが、概略的にその例を紹介する。

ある印刷会社での事だった。印刷業は現在でも斜陽産業だが、その当時も毎年、需要がどんどん減り、主要な客先となる出版業や広告代理業も、相次ぐ倒産劇を繰り広げていた。

そんな中で、星の数ほどある印刷会社の淘汰が急激に進んでいた。

数多くの印刷会社が生き残りをかけて、安売り競争を激しく行っていたが、その印刷会社の力では、価格競争が行えるような力はなく、競争見積もりに参加しても、受注は、到底、見込めないのである。

ところが、ある仕事がきっかけとなり、突然、光がさしたのである。

当時、印刷業界では、ウインドウズのオフィスやCADソフトで作ったデーターは、印刷物を作るためのデーターとしては、そのまま使えず、印刷物を作るためには、プリントアウトしたものを見本にして、同じ内容のものを印刷物用に作っていたのである。

たとえば、業務マニュアルを作るなら、とりあえず、顧客がウインドウズのワードで作った業務マニュアルをプリントアウトして、そのプリントアウトした資料を見本として印刷会社に渡し、印刷会社では、その見本を元に、文字入力するところから始めて、マニュアルを作るのである。

今となっては、信じられない作業だが、このようなことをして、160ページくらいで、たった200冊程度のマニュアルを2ケ月程度の時間をかけて、高額な料金を顧客は払っていた。

その印刷会社では、たまたま、こんな仕事を受注したことをきっかけに、会社が劇的に変わったのであった。

また、このタイプの仕事は、この会社にとって、非常に都合がよく、大手が参入して来る心配はなく、同じことができる競合他社もほとんどいなかったのである。

その上、利益率も良く、顧客に既存価格の70%で販売しても、大手の印刷会社の下請け仕事をする時の3倍以上の利益が見込めるのである。

このことに気づいた、その印刷会社の2代目社長は、このタイプの仕事を標準化して、ほぼフルデジタルで社内だけで制作出来るようにし、顧客には、品質を保証した上で、価格、納期を、従来の70%で実現することを約束したのである。

当時、こうすることで、競合他社はいなくなり、暫く独占状態が続いていた。しかもさらに幸運なことに、この噂を聞きつけた新規顧客が自動的に増えだしたのである。

そして、この成功を元に、この2代目社長は、事業の試作モデルを創り、成功させ、虫の吐息だった会社をV字回復させて、新たな高収益体質の会社へと変貌させたのだった。

では、なぜ、この2代目社長は、こんなことができたのだろうか?




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