2014年5月17日土曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(25) 「事業モデルの7つのルール」(1) カリスマ経営コンサルタント一倉定の限界

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(25)
「事業モデルの7つのルール」(1)
カリスマ経営コンサルタント一倉定の限界






スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか? それは、事業をコントロールする「ルール」を「システム化」しないまま起業してしまうため、仕事にコントロールされて、その奴隷となってしまうのが、スモールビジネスが上手く行かない最大の理由である。

話は少し変わるが、日本には、昭和から平成にかけて、スモールビジネスの経営者を指導するカリスマ経営コンサルタントと言われた人物に、一倉定という経営コンサルタントがいた。

確かに、彼は優れた経営コンサルタントだった。特に、一倉定の教えで最も優れた点は、スモールビジネスの経営者に、事業をコントロールするルールとは何かをスパルタ形式でスモールビジネスの経営者へ叩き込んだ。

そして、当時、スモールビジネスの経営者に「事業をコントロールするルール」を教えられる経営コンサルタントは、一倉定、ただ一人であった。

それ故に、一倉定は、カリスマ、あるいは、孤高の天才経営コンサルタントとまで言われた。

そして、一倉定の洗礼を受けたスモールビジネスの多くは、瀕死の状態から脱却し、息を吹き返した。

だが、一倉定の指導後、大きく成長した企業は、ほとんどないのである。

それは、なぜだろうか?

一倉定が教える「顧客戦略」とは、次のような内容である。

「顧客を創るのは社長の仕事である。従って、社長が定期的に顧客の表敬訪問を欠かすことなく行うことで、顧客を創造し、顧客との関係を維持することができる。従って、企業の運命は「社長」次第である。」

確かに、その通りだ。ただし、この考え方と行動は、実際のところ、事業規模が、従業員数が20人くらいまでの規模のスモールビジネスでないと機能しないのだ。

この考え方では、社長の物理的な限界が会社の限界となってしまう。

事業の「寿命」は、「顧客を見つけ出し、顧客との関係を維持する能力」で決まる。

しかし、それが、社長の表敬訪問回数で決まるような「ルール」にしてしまうと、社長の物理的な限界が会社の限界となってしまう。

つまり、この「顧客戦略」は、短期的にスモールビジネスが瀕死の状態から息を吹き返すのがゴールであり、会社が中長期的に成長する戦略ではないのだ。

成長しないことを前提にした事業計画であれば、この方法でも良いが、成長することを前提にした場合、次のように書き換える必要がある。

「顧客を創るのは社長の仕事である。従って、社長が誰もが訓練によって習得できる「顧客を創造し、顧客との関係を維持する」ことができる「システム」と「ルール」を創れるかが会社の運命を決める。」

このようにすれば、スモールビジネスが「青年期」から「成熟期」へと向かうようになるのだ。


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