2014年4月26日土曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(7) 「スモールビジネスの3つの段階」

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(7)
「スモールビジネスの3つの段階」
マイケル・E・ガーバーより






 スモールビジネスが成長する段階には、「幼年期」、「青年期」、「成熟期」の3つの段階がある。

では、早速、この段階について見て行こう。


「幼年期」職人の時代

スモールビジネスが「幼年期」の段階にある時は、そのスモールビジネスは、「職人」が経営者として、まるで、大道芸人の曲芸のような才能を発揮して経営がされる。

まず、スモールビジネスの「幼年期」のはじまりは、こうだ。

あなたは、独立し、会社に勤めていた頃の上司はいなくなった。ついに、職人としての自由を勝ち取ったのだ!

自分のやりたいことが誰にも邪魔されずにできる。将来はバラ色に見え、その可能性に胸が躍る気持ちだ。

まるで、夏休みに入った時の子供のように、手に入れた自由に胸を膨らませている。

独立した当初は、何も考える必要はない。職人として仕事をこなすことにかけては、あなたはベテランだ。

だから、スモールビジネスをたちあげて間もない幼年期の間は、あなたは喜んで働こうとする。

こうやって、一日、十時間、十二時間、十四時間、そして、一日も休むことなく一週間働くようになる。

他の事をしている時も、スモールビジネスのことが頭から離れなくなり、仕事を中心に生活が回り始める。

必要となれば、お金や労力を惜しみなく注ぎ込んでしまう。こうやって、あなたは仕事に人生を消耗し始めることになる。

あなたの仕事は商品を作るだけではない。マーケティング、仕入れ、販売、発送、納品、掃除、資金繰りなどの仕事もこなさなければならない。

これだけの仕事をミスもせずにこなしているあなたは、まるで、大道芸人のような才能を発揮している。

スモールビジネスの幼年期を見分けるのは、簡単である。なぜなら、オーナーが事業そのものだ。

ジョーの床屋、トミー印刷ショップ、メアリー会計事務所、スミス内科医院、マーク美容室。

こうすれば、お客さんも、あなたがこの店のオーナーだということが、すぐにわかる。

運が良ければ、すぐにでもあなたの努力は報われる。

あなたの元に来るお客さんは、「ジョーのカットは、イカスぜ!」、「トミーの印刷は綺麗だ!」、「メアリーは、経営のアドバイスまでしてくれる!」、「スミスは、最高のドクターだ!」、「マークのメイクで、モテモテよ!」。

お客さんは、もう、あなたの会社の熱烈なファンだ。

ところが、ある日を境に変化が起こる。仕事量が増えて、仕事がこなせなくなり、クレームが絶えなくなるのだ。

「ジョーの奴、俺は中学生じゃ、ねぇーぞ!」、「トミーったら、私はナンシーよ! マーガレットって誰なのよ!」、「メアリーのせいで、倒産するところだったわ!」、「スミス、俺が欲しいのは診断書だ!」、「マークのせいで、ハロウィンって、あだ名までつけられたわ! 最悪よ!」。

こうして、あなたは、能力の限界が事業の限界であることに気づく。どうやったって、できっこない!

だっ嫌いな上司から逃げるために起業したのに、今度は事業そのものが上司としてあなたを管理するという皮肉な状況に陥ってしまう。

経営者が、今までのやり方では事業が続けられないと気づいた時に、幼年期は終わりを迎える。

生き残るためには、変化しなければならない。

この変化に直面した時、ほとんどの事業は倒産に追い込まれることになる。そして、生き残ったスモールビジネスだけが青年期を迎えるのである。



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