2014年9月4日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(58) マーケット・リサーチ(6)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(58)
マーケット・リサーチ(6)


 


 おはようございます。今回は、SWOT分析で、「強み」、「弱み」を知るために行う3C分析について見ていきましょう。

3C分析とは、要は、顧客視点で市場に参加している企業と自社のマーケティングの7Pを比較して、自社の製品が、なぜ、売れるのか?「強み」)、自社の製品がなぜ売れないのか?「弱み」(なぜ、他社の製品が売れるのか?)を調べることです。

ですから、分析と言っても、単なる比較で、何かの計算をするといったことはありません。

また、価格に優位性がある企業の順番で市場占有率が決まることがほとんどですので、分析といっても、教科書通りの結果を裏付けることになります。

それなりの規模の市場では、こういった、教科書通りの方法で簡単に分析できるのですが、ところが、ニッチ市場となると、なかなか教科書通りにならないのです。

たとえば、典型的なニッチ市場に、卓上カセットガスコンロの市場があります。

この市場の主な参加企業は、イワタニ、ニチネン、グリーンウッド、東邦金属工業、TTSの5社です。

ところで、この中で、知っている企業は、ありますか?

おそらく、ないと思いますが、イワタニくらいなら、カセットガスコンロのガスボンベの市場を独占していますから、ガスボンベを見れば、「ああー、この会社か・・・」となると思いますが、他のメーカーは、おそらく、見たことも聞いたこともないと思います。

こういった市場で3C分析する場合、単純な企業間のマーケティングの7Pの比較だけでは、企業の「強み」、「弱み」は判りません。

お気づきの方もいると思いますが、こういった場合、マーケティングの7Pの比較を優先して調べるのではなく、ポジショニングの法則を優先して調べます。

つまり、ポジショニングの法則の習慣の法則から、馴染みのない物は売れないのですから、市場に参加している企業の認知度によって、市場占有率が決まることが多いのです。

おそらく、一般的に、この市場で認知度があるのは、イワタニくらいですから、分析するまでもなく、イワタニが独占していることが容易に予想されます。

では、実際、どうなのか? 価格.COMで見てみましょう。
http://kakaku.com/kaden/cooktop/itemlist.aspx?pdf_Spec101=3&pdf_so=s1

どうでしょうか? 売れ筋の高い順にして表示すると、怖いくらい、上位12位までもがイワタニが独占していますね。

では、イワタニが最安値を実現しているか? というと、違います。グリーンウッドという会社ですね。

このように、3C分析をする時は、教科書的には、市場に参加している企業のマーケティングの7Pの比較だけで良いのですが、特にニッチ市場では、企業の認知度の方が競争の優位性を高めますので、ポジショニングの法則を調べないと「強み」、「弱み」が特定できないことがあります。

では、次回は、機会/脅威分析について見て行きましょう。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略