2014年1月25日土曜日

セールスを成功させる4つの機能 (3)「ニーズ解決」

セールスを成功させる4つの機能
(3)「ニーズ解決」




ニーズ解決では、見込み客が購入すべき製品(商品やサービス)を特定します。そこで、セールスを成功させる4つの機能のニーズ解決までの内容を再度、確認します。
 



ニーズ分析

 まず、ニーズ分析では、見込み客が「必要な物」、「欲しい物」と思っているものを探り当て、それらの物は、以下の図の4つの項目の何が欠落していて、どんな満足条件が必要なのか特定します。



「購買行動の流れ」
1.シーズが何か理由でニーズ(必要)に変化している
2.必要な理由(満足条件)
3.欲しい理由(満足条件)
4.購入する理由(満足条件)

たとえば、前ページのニーズ評価で例述した「食器」を購入した夫婦であれば、セールス・パーソンが「調理器具」の販売で訪問したはずなのに、「調理器具」ではなく「食器」が売れました。

この例の場合、「調理器具」と「食器」について上記の4つのニーズ分析のフレームに沿って分析しますと、セールス・パーソンが見込み客の自宅に訪問した時点では、見込み客のニーズは以下の様な状態でした。

「調理器具」
○ 1.シーズが何か理由でニーズ(必要)に変化している
? 2.必要な理由(満足条件)
? 3.欲しい理由(満足条件)
? 4.購入する理由(満足条件)

「食器」
? 1.シーズが何か理由でニーズ(必要)に変化している
? 2.必要な理由(満足条件)
? 3.欲しい理由(満足条件)
? 4.購入する理由(満足条件)

次に、セールス・パーソンのプレゼンテーションが終わり、誰かが「食器」と呟いた瞬間、ニーズは以下の様に変化しました。

「調理器具」
○ 1.シーズが何か理由でニーズ(必要)に変化している
○ 2.必要な理由(満足条件)
× 3.欲しい理由(満足条件)
× 4.購入する理由(満足条件)

「食器」
○ 1.シーズが何か理由でニーズ(必要)に変化している
△ 2.必要な理由(満足条件)
○ 3.欲しい理由(満足条件)
△ 4.購入する理由(満足条件)

セールス・パーソンがプレゼンテーションを行っている時、見込み客は「お金がありません」、「高すぎます」、「買えません」の3つの言葉しか言わないことから、見込み客は「調理器具」は必要でしたが、セールス・パーソンが提案した高級感がある高額な商品は欲しい商品ではないことが判りました。

しかし、誰かが「食器」と呟いた瞬間、それまで表面化していなかったウォンツの「食器」が表面化しました。

つまり、見込み客は「調理器具」には高級感がある高額な商品を望んでいませんでしたが、「食器」には、セールス・パーソンが提案するような高級感がある高額な商品を望んでいたことが判りました。

ここまでがニーズ分析です。

そして、見込み客のニーズは、以下の様な内容だと特定できました。

「必要な物」=「調理器具」

「欲しい物」=「食器」


ニーズ評価


そして、次にニーズ評価をします。

ニーズの分析で特定しました、見込み客が「必要なもの」、「欲しいもの」の商品やサービスは、

購入 = 欲しいと思う感情の強さ(満足条件) > お金を失う感情(恐怖)の強さ

この関係式が成り立つことから、セールス・パーソンがアプローチする優先順位を決めるために、以下のポジショニングマップにどんな商品やサービスが該当するかマッピングします。



ただし、優先順位4にマッピングされた商品やサービスは、現時点では売れる可能性がないため、基本的にアプローチしません。

ここまでが、ニーズ分析 → ニーズ評価までの流れです。



ニーズ解決


さて、ニーズ解決では、ニーズ評価で優先順位1にマッピングされた「食器」に対して、「我が社はこのような解決策(ソリューション)を提供します」と提案します。

つまり、「見込み客は我が社の商品やサービスを利用することで、どうなれるのか?」という提案をするのです。

ところで、あなたは、もう、ここまで来たら、なぜ、「我が社のこの食器を買って下さい」と言わないのか? と、思われたかもしれません。

しかし、よく、考えて欲しいのです。

たとえば、仮に、あなたが高級感のある高額な食器を購入するとします。

ところで、あなたが買う物は、本当に食器でしょうか? 

その答えは、本当は、あなたが買う物は食器ではなく、実は「優雅な食事のイメージ」を買うはずです。

私たちは、誰一人として商品やサービスを買うのではないのです。

私たちが買うものは、商品やサービスが私たちにしてくれること、つまり、商品やサービスが私たちに提供する「解決策(ソリューション)」を買うのです。

ですから、セールス・パーソンは商品やサービスを販売の中心に考えるのではなく、解決策(ソリューション)を販売の中心に考えるべきなのです。

その商品やサービスが見込み客に何ができるのか?
なぜ、その商品やサービスが見込み客の役に立つのか?
その商品やサービスを使うと見込み客はどうなれるのか?

などを提案するのです。

そうす
ると、販売すべき商品やサービスがまるで変わるはずです。

たとえば、見込み客が、朝食にはさわやかさを求め、夕食にはくつろぎを求めているとしたら、朝食と夕食には別々の食器が必要になります。

このように、見込み客が「なりたい理想的なイメージ」に対して、セールス・パーソンは、解決策(ソリューション)を提案するのです。

以前、ブログの「セールス・パーソンの資質」のページで申し上げましたが、人間の神経系は、「イマジネーション」と「現実」とを区別することができず、人は「真実だとイメージしたこと」に従って行動し、反応するようにできています。

ですから、同様に、人は「なりたい理想的なイメージ」を実現するために購買活動をするのですから、セールス・パーソンは、見込み客の「なりたい理想的なイメージ」を実現するために必要な解決策(ソリューション)を提案するのです。

これが、セールスを成功させる4つの機能の3番目の「ニーズ解決」です。

では、次回は、セールスを成功させる4つの機能の4番目の「ニーズ充足」について解説致します。


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