2014年1月20日月曜日

セールス・パーソンの資質

セールス・パーソンの資質





 私たちが行動できたりできなかったりするのは、一般的に「意思」にその原因があると思われています。


しかし、それは真実ではありません。

たとえば、催眠術にかかった人にありありと見られる現象ですが、催眠術にかかった人が「いま、北極にいる」と言われれば急に震えだしたり、「いま、猛烈な暑さの赤道直下にいる」と言われれば急に暑がり出したり、極端な例では催眠術によるイメージ誘導だけで本当に火傷をする人すらいます。

同じような現象にプラセボ効果(自己暗示)がありますが、医者がただの水をよく効く薬だと患者に信じこませて(イメージさせて)その水を飲ませると病気が治ったりすることがあります。

このように人間の神経系は、「イマジネーション」と「現実」とを区別することができず、人は「真実だとイメージしたこと」に従って行動し、反応するようにできています。

つまり、人が行動できたりできなかったりするのは、「意思」にその原因があるのではなく、「真実だとイメージしたこと」に原因があり、人はそのような自己イメージに従った行動を無意識のうちにするようにできているのです。

同様に人生においても自分で描いた自己イメージに支配されるため、最終的にどのような人生を送るかは自分がどのような自己イメージを描くかによって、ほとんどが決まってしまいます。

ところで、セールス活動においても何かを達成できないのは「意思が弱い」と思われがちですが、前述からも明らかなように、それは真実ではありません。

セールス活動においてもほとんどの場合、何かを達成できないのは目標に対する「自己イメージ」が適切ではないことの方が多いのです。


現実と等身大の自己イメージが自己実現を可能にする

自己実現の話でよくある疑問に「真実だと思える自己イメージを描けば、本当にその通りになるなら、自分がシンデレラだと心から信じれば、本当にシンデレラになれるのですか?」という疑問があります。

実際、シンデレラになった人は沢山います。

たとえば、オールトラップ子爵の三女として生まれたダイアナ・フランセス・スペンサーは、イギリスのチャールズ皇太子と結婚しました。

さらに、民間人のキャサリン(ケイト)・エリザベス・ミドルトンは、チャールズ皇太子の息子ウィリアム王子と結婚しました。


このようにシンデレラになった女性は他にも沢山います。しかし、誰もがシンデレラになれるわけではありません。

同じようにIT業界でも、ビル・ゲイツのようになれると心から信じる人は沢山いますが、はたして、そうなれるのでしょうか。

実は、ここに一つのルールが存在しています。

たとえば、ビル・ゲイツは大学を卒業しておらず、変わり者だと言われることがあります。しかし、ビル・ゲイツについて少し調べて見ると、確かに母校のハーバード大学を休学したまま卒業していませんが、日本では立教大学や早稲田大学から名誉博士号を授与されています。

また、倹約家としても有名で、たとえば、仕事で飛行機に乗る時はエコノミークラスを利用します。少し調べただけでもビル・ゲイツは噂とは違いレベルの高い学識や良識を備えている人物であることが判ります。

つまり、シンデレラになれると信じても実現しない人、ビル・ゲイツのようになれると信じても実現しない人など、そもそも実現できない妄想を描いてしまう人には共通の勘違いがあるのです。

それは、自分が自己実現をするために必要な条件を持ち合わせていないことを見落としているのです。

理想的な自己イメージを描いただけでは、単なる妄想にしかすぎません。

なぜなら、シンデレラになるためにはシンデレラであるための条件、ビル・ゲイツになるためにはビル・ゲイツであるための条件といった客観的に見ても納得できるような条件を備えていて、はじめて自己実現ができる可能性があるのです。

自動車の運転には最低でも運転免許が必要なように、自己実現をするには「真実と確信できる理想的な自己イメージ」と「自己実現に必要な条件を備えている」こと、この2つが揃っていることが必要な条件です。

また、この自己実現の関係を標準化すると、

 自己実現 = 自己イメージ + 自己イメージの必要条件を満たせる

このような関係でなりたっています。

同様に目標を達成することも全く同じです。ですから、本当に成果をあげているセールス・パーソンは、

1 目標を達成できる明確な自己イメージ
2 目標を達成するための必要条件を満たしている

この2点の条件を持ち合わせた上で、常に情報にアンテナを張って、新たな機会に集中した行動をとっているのです。これが、本当に成果をあげているセールス・パーソンの真実の姿なのです。

次回は、これらのセールスの仕組みについて説明したいと思います。


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