供給過多な市場での戦い方(6)
みなさん、こんにちは。今回は、セグメントマーケティングのターゲティング、つまり顧客になりそうなグループ(共通のニーズを持った顧客)を見つけだす(ターゲティング)方法についてお伝えします。
セグメントマーケティングでは、まず、最初にセグメンテーションを行いますが、このセグメンテーションとは、結局のところ、自社がナンバーワンになれそうな市場もしくは市場の特定分野(セグメント)を特定することです。
たとえば、市場で最安値(価格優位)を実現すれば、当然、商圏は市場全体に広がってお客さんの数は増えますが、その分、1つあたりの製品利益は減ります。
また、差別化で競争優位を実現すれば、お客さんの数は減りますが、値引き競争する競合他社がいない分、1つあたりの製品利益は増えます。
ですから、自社の強みと競争力をよく考えて、価格優位で市場競争するか、あるいは、差別化で市場競争するかを明確に決めることで、自社が参加する市場の範囲を決めるのがセグメンテーションです。
企業が市場で生き残るためには、最終的に価格優位か差別化を行って競争優位になるかの二者択一しかありません。
また、価格優位は、市場で1社しか存在しないため、ほぼ100%の企業は、価格優位の企業が市場で取りこぼした顧客のニーズに焦点を絞り、残った市場で何らかの差別化によって競争優位を実現して顧客を奪い合うことになります。
たとえば、ピザ屋さんなら、従来のピザ屋さんは、製品単価が3千円位で、何かの記念日に食べるような豪華なピザ屋さんしかありませんでした。
ですから、仮にピザの市場で差別化を行う時は、そういった製品単価が3千円位の客層(ニーズ)を対象にして市場競争を行うのではなく、たとえば、もっと安価でリーズナブルなピザが食べたいという客層(ニーズ)をターゲットにして差別化を行います。
実際、5年くらい前から、単価500円のワンコインピザ屋さんが後続で市場に参入して以来、ピザ1枚の値段が500円という値ごろ感が主流になりだしました。
このように、差別化をする時は同じピザの市場でも、豪華なピザを提供するピザ屋さんとは直接競争せず、そういった強力な競合他社が取りこぼしたニーズ(セグメント)にターゲット(客層)を絞ることで、ピザ市場で生き残るような戦略を実行します。
このように、競合他社が取りこぼした顧客のニーズ(セグメント)を特定し、そのニーズにターゲット(客層)を絞ることがターゲティングです。
では、このターゲティングとは何かが判れば、あとはターゲットとなる顧客は誰か? ということになります。
顧客は、製品の特長にもよりますが、結論から言えば、競合他社の顧客が自社の見込み客(顧客)です。ピザ屋さんなら、既存の従来型ピザ屋さんの顧客が自社の見込み客(顧客)です。
つまり、従来型ピザ屋さんが満たせない顧客のニーズを自社が満たすことで自社の顧客が創造されるのです。
そして、次に、ハンバーガー市場、お弁当市場など、親和性のある関連市場の顧客を同じ解決策で取り込み、自社の顧客にしていきます。
このように、顧客を見つける方法とは、まず、狙った市場の競合他社の顧客、次に親和性のある関連市場の顧客のいまだに満たされないニーズを探り当て、その解決策となる製品で自社の顧客になるか否かで判断します。
ターゲティングができれば、あとは、お客さんを吸い寄せるような何かさえあれば、会社やお店は、なんとかなるもんです。
では、次回は、その、お客さんを吸い寄せるような何かについてお伝えします。
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